『私の愛する圧制者』は、愛し合っていると想っていた結婚相手、ハイナーに欺かれていたことに気がつくところから物語が始まります。
幸せな結婚生活だったはずが、夫による父への復讐の一環だったと知ったアネットが、全てを失い自らの運命に奮闘していくのです。
お互いの愛憎や運命に奔走され、その中で自分を見つめ直し、人間的な成長を遂げていくストーリーです。
またそこには国家権力や反乱革命など、社会的な背景が大きく影響しており、壮大でかなり読み応えのある作品となっています。
大きく感情を揺さぶられるこの作品をぜひ多くの方に読んでいただきたいので、そこで本作品のあらすじやストーリーをご紹介したいと思います!
ところで、
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私の愛する圧制者あらすじ
パダニア王家の血筋を引く主人公アネット・ローゼンベルクは、父は軍部隊長であるローゼンベルク侯爵であり、2年の交際の末に父の部下ハイナーと結婚をし、全てが完璧でした。
しかしある日突然、革命軍によって王政が崩壊し、アネットの家門も没落してしまいます。
そしてその革命軍の総司令官は、なんとハイナーだったのです。
さらに「一生私のそばで不幸に暮らすんだ」と言われたアネットは、この男の復讐は始まったばかりなのだと気がつくのです。
私の愛する圧制者ネタバレ
それでは『私の愛する圧制者』の初めの数話についてご紹介しましょう。
ネタバレとなりますのでご注意ください!
私の愛する圧制者ネタバレ1話
アネットが運命だと想っていた出会いは、運命でも偶然でもなく、夫であるハイナーの計画的な行動によるものでした。
父の部下である軍団長だったハイナーと、2年の交際期間を経てアネットは結婚したのです。
しかし革命軍によって王政が崩壊させられて貴族は没落し、父は殺され母も自殺を図って亡くなってしまいます。
総司令官としてその革命を指揮していたのが、なんとハイナーだったのです。
ハイナーはかつてアネットの父が管理監督していた訓練所のスパイであり、スパイの存在が問題視された際に他のスパイたちは口封じのために消されてしまいました。
しかしハイナーだけは功績を認められ、アネットの父の部下として軍に置かれたのです。
ハイナーは復讐のためにアネットに近づき、そして革命が成し遂げられた今、離婚を要求したアネットに対して、拒否したのです。
一生自分のそばで不幸に暮らせと…
私の愛する圧制者ネタバレ2話
王政が崩壊したにも関わらず、まだ生きながらえているアネットは、非難や脅迫に囲まれていました。
離婚を要求したものの受け入れられず、ハイナーのそばに居続けることは地獄でしかありません。
以前は政治に疎く、恵まれた環境で平和に暮らしていた世間知らずな貴族の娘でしたが、今では新しい政府の意味や人権や民主主義を知りました。
そして自分には人々を恨む資格もなく、もう何も望むことはなく、かつて愛していた相手に惨めな姿を見せたくないというわずかな自尊心しかありませんでした。
それでもハイナーはアネットに妻でい続けることを要求し、ホテル開館の記念パーティーへの同伴を命じます。
私の愛する圧制者ネタバレ3話
アネットは頭痛や体調不良のための薬が欲しいと、官邸にやってきた医師に頼みますが冷遇されます。
そばで聞いていたメイドたちも、そんなアネットを見ながら隠しもせずに笑うのでした。
ハイナーに命じられていたパーティー同伴では、アネットは人々の悪意ある視線を浴びせられます。
革命を成し遂げた総司令官として人々の称賛されるハイナーのそばで、アネットは不幸の幕開けを見せつけられるのでした。
そんな中、かつてアネットが憧れて父の人脈で会わせてもらったこともある天才的ピアニストの演奏が始まります。
当時は無邪気に喜び彼のようなピアニストになりたいと願ったが、平民出身の天才的ピアニストは貴族である自分のことは蔑んでいただろうと理解できるようになってしまっていました。
そんな時、ピアノが上手だったはずだと指摘されたアネットは、演奏を聴かせてと強制的にピアノの前に座らされます。
しかし、革命軍によって父が殺された現場を見てしまったアネットは、ちょうどピアノを弾いていた時だったのです。
ピアノを前にすると、そのトラウマの症状が現れてしまい、演奏することができないのでした。
私の愛する圧制者ネタバレ4話
アネットは物心ついた頃から、ずっとピアノを弾いていたのです。
しかし革命軍によって父が殺されてしまったまさにその日から、鍵盤さえも押すことができなくなってしまっていました。
アネットには以前のように守ってくれる父も、地位も権力も、名誉も経歴も何も残されていないのだと痛感するのです。
食欲も起こらず食事を断っていると、使用人からそのことを聞いたハイナーが部屋を訪れます。
以前は極めて精巧にできていた刺繍を、アネットは今では子供のような稚拙な刺繍をして過ごしていました。
ハイナーはアネットに強制的に食事を摂らせて、アネットが飲まずに溜め込んでいた睡眠薬を見つけると持ち去ってしまいました。
アネットは、以前のような自分ではないことをわかっています。
しかしハイナーにとって、いくら惨めで不幸にさせようとしても、アネットの姿は今でも美しく高貴に見えるのです。
自分が歩んできた幼い頃の惨めで荒れ果てた人生と同じくらい、不幸で暗い人生を歩ませ、全てに絶望する瞬間を目にすると心に決めているのでした。
私の愛する圧制者ネタバレ5話
アネットは庭に出て、少し前にハイナーと夜をともにしたことを思い返していました。
子供ができればハイナーとの関係も修復できるのではないかと夫婦の営みを求めると、普段は冷たい態度なのにハイナーは拒否せずアネットを部屋に入れました。
しかしハイナーはいつも服を着たままで事を済まして終われば出ていき、アネットはいつも冷たい部屋に1人取り残されるのです。
疲れを感じながら座っていたアネットのところへ、革命軍の頃からハイナーと一緒だったというアネリ嬢がやってきました。
ハイナーの周囲や民衆はハイナーとアネリ嬢との結婚を望んでいて、アネットとハイナーの離婚について話を聞きにきたのです。
私ではなく夫に聞いた方がいいです、と答えながらも、アネットはこの結婚生活はすぐに終わるからあまり心配しないでくださいと答えるのでした。
その後、かつてローゼンベルク家とは親しい家柄だったシュテッター伯爵家のアンスガーが尋ねてきました。
留学中で革命からは逃れられたもと貴族であり、かつてアネットにプロポーズをした人物なのです。
今はフランチェ国で暮らしており、革命によって過酷な状況に置かれてしまったアネットを、フランチェに来ないかと話をしにきたのでした。
フランチェには亡命した貴族たちが集まっており、王政復古の象徴として自分が望まれているのだと、アネットは気がつくのです。
私の愛する圧制者ネタバレ6話
夕食時にハイナーは、アンスガーとともにフランチェに行きたいと考えているのかと尋ねました。
そのつもりはないとアネットが答えても、この屋敷から出ることはないし、離婚には応じないとハイナーは言います。
離婚に応じない理由は、政府への反対勢力へのけん制なのかもしれないとアネットは考えます。
ある日アネットは教会へ行くと言い使用人たちに1人での外出を要求し、馬車と列車に乗ってグランフォードの海へと向かいました。
列車の中で老婦人に話しかけられ、1人で海を見に行くのだと話し、夫やその周囲からは嫌われているのだと話します。
海で見かけた絵描き師に肖像画を描いてもらったり、海の絵を買ったりと自由に過ごすのでした。
私の愛する圧制者ネタバレ7話
靴を脱いで砂浜で貝殻を拾い、そのまま海へと進もうとしていると、ハイナーに腕を掴まれました。
アネットが出かけた後、ハイナーはアネットの行動について逐一報告を受けていました。
列車に乗るアネットを尾行し、海で過ごすアネットを離れた場所から眺めていたのです。
腕を掴まれたアネットは、ハイナーが自分を捕まえにくることをわかっていました。
砂浜に上がり素足をつくと何かにあたり怪我をしてしまいます。
ハイナーは足を怪我したアネットを抱え上げ、ホテルへと連れて行きます。
そして使用人もつけずにこんなところへ来ることがそんなに重要だったのかと怒った顔で尋ねてくるのでした。
私の愛する圧制者ネタバレ8話
同行人もないのに荷物は砂浜に置いたままであり、以前のように荷物の見張りをしてくれるものがあるかのような無防備な振る舞いに、ハイナーは怒りをあらわにしていました。
腹が立つほどに、以前のような貴族の女のままだと憎しげにいうのです。
いつからこんなに憎んでいたのだろう、とアネットは思います。
ハイナーは自分のことを愛している演技をしていただけなのに、騙されて自分も愛していると口にしていたことが、アネットには滑稽でした。
王政が崩壊してからも、かつてのようなハイナーに戻ってくれると信じてそれから3年も愛してしまった、とアネットは口にします。
革命を成し遂げた時に、自分を騙していたことも言ってくれればよかったのに、とアネットは寂しげに口にするのでした。
私の愛する圧制者ネタバレ9話
ホテルでは同じ部屋で眠ることになり、落ち着かないハイナーは火をつけずに葉巻を加えてバルコニーへ出ました。
以前アネットと出会ってからは葉巻はやめており、気持ちが落ち着かないときだけ見えない場所で口に咥えるだけにしていたのです。
革命を遂げて今となっては気にする必要はないのに、アネットの存在が心の中でどこかひっかかって、その習慣をやめられていないのでした。
数日後、アネットは宝石店を訪れました。
かつてはデートのたびにハイナーが何かプレゼントをしてくれていた、幸せな時間があったのです。
革命後には財産は差し押さえられていたが、最後に残っていた宝石たちも処分してしまおうとやってきたのです。
いつか自分が死んだ後に、ローゼンベルクの娘の宝石として出回ることは避けたいと思っていたからです。
持参した宝石の査定が終わった後、左手にはめていた結婚指輪も参考として査定額を尋ねました。
すると指輪ひとつで、一般の人々が数年は難なく暮らせる金額よりもさらに倍以上の額が答えられます。
高価な指輪でプロポーズしなければならないと思ったのかと、以前の自分を世間を知らない見栄っ張りで愚かな女だったと痛感するのでした。
宝石店には指輪の買取現金の用意がなく、処分せずに持ち帰ろうと店の外に出た際、目つきのおかしい青年がアネットを見ていました。
アネットが違和感を感じたその瞬間、アネットは腹部をその青年に銃で撃たれるのです。
意識が遠のきながら、そんなに憎いなら頭を撃てばよかったのにと思うのでした。
私の愛する圧制者ネタバレ10話
アネットが撃たれたとの報告を受けたハイナーは、すぐさま病院へと向かいました。
幸い命に別状はないとの診断ですぐに回復すると医師に言われます。
しかし、アネットが妊娠していたこと、今回の件で流産となってしまい今後は妊娠は望めないことを告げられます。
やがて目を覚ましたアネットも、妊娠していたことや流産となってしまったことを知らされました。
ハイナーはアネットに、子供が欲しければ養子を迎えるという方法があると口にします。
私の愛する圧制者ネタバレ11話
養子などと口にするハイナーに対し、アネットはいらないと答えます。
愛のない家庭で育ち、母親の悪評を聞きながら育つ不幸な人生だったはずで、生まれてこなくてよかったのだとアネットは言うのです。
もしも生まれてきても冷たい人生であり、これでよかったのだと思うものの、アネットは虚しく寒い思いでした。
やがて撃たれた傷や子宮の回復が進み、アネットは退院できることになります。
妊娠・流産については伏せられたものの、襲撃事件については知れ渡っており病院の周りには記者が集まってきていました。
何も答えず車に乗るようにと言われたアネットは、押しかける記者に耐えながら車へと歩きます。
そんな中、1人の女性がどうしてもアネットに話したいことがあると叫びかけました。
女性は今回の襲撃事件の容疑者の姉だと名乗ったのです。
私の愛する圧制者ネタバレ12話
アネットには、どこかでその女性を見たことがあるように思えますが、どこで見たのか、彼女に何かしたのか記憶がありません。
そもそも自分の精神状態が正常なのかどうか、もはやアネットには自信がありませんでした。
彼女の居場所を調査するように依頼し、名前をカトリン・グロートといい、結婚して6ヶ月であり夫とともに果物屋をしていると知ります。
迷った末に、アネットはカトリンの家に電話をかけ、電話に出た男性にいつでも訪ねてきていいと伝えて欲しいと伝言を頼みます。
何を伝えようとしたのか、聞くべきだとアネットは考えたのです。
また、アネットにとって過去と向き合える最初で最後の機会ではないかと思ったのでした。
私の愛する圧制者ネタバレ13話
アネットは、ストレスとプレッシャーに苦しみ、現実と夢の狭間で行くあてがわからない感覚に陥り、自分の精神状態が正常ではないと感じていました。
銃撃事件の後にハイナーが変更した官邸医がやってきて、カウンセリングを勧められたものの、アネットは拒否します。
ハイナーに見下され圧制されながら生きる人生に、何の意味があるのかとさえ思っていました。
そんな中、アネットを訪ねてカトリンが官邸にやってきました。
2人だけで話したいというアネットに、ハイナーはいざという時のためにナイフを手渡してきました。
カトリンと会うと、彼女のお腹が少し大きいことに気がつきました。
カトリンの弟の襲撃によって子供を流産してしまったと考えているアネットでしたが、もはや何も意味はありませんでした。
カトリンは、3人兄弟だったことを話し出しました。
兄は向上心のある青年であり、会社に就職して昇進するために努力していたものの貴族である上司に差別をされ、反発心から革命軍に入ったと言います。
革命軍の弾圧が強まったとき、カトリンの兄も連行されて、法に背いたと判断されて死刑が宣告されたというのです。
その尋問の責任者はローゼンベルク侯爵、アネットの父だったのでした。
早々に死刑宣告をしたローゼンベルク公爵は急いでその場を後にし、その日行われるアネットのピアノの演奏会へと向かったのです。
私の愛する圧制者ネタバレ14話
演奏を終えて人々が歓談する中、バルコニーで休んでいたアネットは門の外で数人が騒いでいる姿を見かけました。
それは処分を不服だと訴えにきていたカトリンと、取り押さえようとする使用人たちの騒ぎでした。
アネットはカトリンと目が合い、人がどん底に落ちた姿を見たような恐ろしさを覚えたのです。
その翌日、カトリンの兄は銃殺されたのでした。
何も知らなかったアネットに罪があるのかどうかもわからないと言いながら、このようなことがあったと知って欲しかったのだと話しました。
部屋を出て行こうとするカトリンに、アネットは、本当に申し訳ありませんでしたと言います。
カトリンは、誰かからその言葉が聞きたかったのです、と言って帰って行きました。
その夜、アネットは襲撃事件の容疑者の減刑に関する嘆願書を書き、ハイナーの部屋を訪れて渡したのです。
そして何もかも全て申し訳ないです、とハイナーへ伝えます。
自分が侯爵の娘であることも、自分異対して憎しみを抱いていることも、自分が知らないすべてのことに申し訳ないと思っていました。
しかしハイナーは、そんな謝罪はしない方がマシだと答えました。
自分は潔白ではないと知り、生まれてきたことすら間違いだったのかもしれないと思い、アネットは答えを出していたのです。
私の愛する圧制者ネタバレ15話
バスタブにお湯を張り、バラの花びらを浮かべてお湯に入りました。
カトリンに会う直前に渡されたナイフを手首に当て、自分が生きていれば一生ハイナーは私という不幸に縛られて生きていくのだろうと考えます。
次第にお湯はアネットの血で赤く染まり、アネットはハイナーへ、復讐は成功しましたよと思いながら目を閉じたのです。
一方、ハイナーはアネットに渡された嘆願書を見ながら考えていました。
字が乱れていたために、アネットから昔もらった手紙と見比べようとします。
かつて交際中に喧嘩をした時、女心をわかってほしいということや、ちょっと申し訳なく思っていることなどがハイナーへ書かれている手紙でした。
読み終えたハイナーは思わず微笑むのです。
そして、偽りであるにもかかわらず、一番幸せだった頃の手紙の数々を目にしてしまったことを後悔するのでした。
そしてその瞬間、以前はプライドのために直接謝ることなど到底できず、手紙でさえちょっと申し訳ないという程度にしか書かなかったアネットが、先ほどははっきりと申し訳ないと口にしたことに気がつきます。
アネットから取り上げた睡眠薬や、稚拙な刺繍、海に入っていく姿を思い起こしました。
嫌な予感を胸にアネットの部屋へと駆けていったハイナーは、赤い浴槽に気を失ったアネットを見たのです。
私の愛する圧制者今後の展開ネタバレ
作品の始まりを少しネタバレご紹介しました。
それではここからアネットはハイナーはどうなっていくのでしょう?
展開ネタバレとしてご紹介していきたいと思います!
その後の展開ネタバレ①:アネットは離婚できる?
生きることを約束に、ハイナーはアネットとの離婚に応じます!
手首を切って自ら命を経とうとしたアネットは、数日経ってようやく目を覚まし、一命を取り留めます。
しかし、目覚めた瞬間にそばで看ていたハイナーに気がつくと、顔に絶望を滲ませました。
なぜ助けたのですかと訪ね、そしてあなたの望む通り死ぬほどの不幸だと思ったと言いました。
その後次第に回復していったアネットでしたが、口数は減って体調がすぐれないことや離婚を要求するようなことも言わなくなり、ハイナーのすすめるままに頷くようになります。
そして使用人の人手が少なくなったタイミングで部屋に1人になると、アネットは再び死を選ぼうとしたのです。
すぐに気がついたハイナーによって、首吊りのロープを切られて未遂に終わりました。
もう生きていたくありません、とか細くいうアネットに、ハイナーは離婚をしたければ離婚をし、好きなことをすればいいから、お願いだからやめてくれと言うのでした。
そうしてハイナーはアネットとの離婚を受け入れます。
読んでいて限りなく切なくて辛い場面です…!
アネットの心も、ハイナーの心も、どちらも辛い…!
その後の展開ネタバレ②:ハイナーの過去は?
ハイナーは子供の頃身寄りがないためスパイ要請訓練の施設に入り、惨めで暗い人生を送ってきたのです
ハイナーは軍に入る以前、王国が極秘で抱えていたスパイや情報収集員を要請している島で、死と隣り合わせの訓練を生き抜いてきました。
生存訓練で実力を認められたハイナーは、軍事訓練所の責任者であるローゼンベルク侯爵邸での食事会への出席が認められました。
そこでハイナーはピアノを弾く、まだ幼い頃のアネットを偶然目にし、そのピアノに聴き惚れたのです。
そしてもう一度その演奏を聴きたい一心で努力を続け、学年首席となり何度もローゼンベルク侯爵邸を訪れ、実力を認められてとうとう特殊部隊への入隊が認められます。
しかし、何年もの間憧れを抱き続けたアネットと、いつまで経っても惨めで暗い自分の人生との隔たりを痛感するようになります。
ハイナーは長い間、自分たちが受けてきた苦痛や犠牲を、アネットなら理解してともに悲しんでくれると幻想を抱いて耐え抜いてきたのでした。
しかしローゼンベルク侯爵邸で偶然アネットと初めて顔を合わせた時、その幻想は崩れ去ります。
さも当然かのように、いとも簡単に、ハイナーの同僚たちの死に哀悼の意を表しますとアネットがにこやかに口にしたことで、アネットは聖女でも何者でもない単に貴族の一人娘なのだと思い知ったのです。
そして貴族や王政、さらに自分たちのような惨めで不幸な人生の上で、何も知らずに幸せそうにしているアネットに、復讐心を抱くようになったのです…。
確かに、アネットとは比べ物にならないほど惨めで暗い生き方…。
だからあんなにも心に闇を抱えてるんだね。
その後の展開ネタバレ③:離婚後のアネットはどうやって暮らした?
アネットはカトリンの家で暮らしながら自分自身を取り戻していくのです。
生きる約束で離婚が成立したものの、官邸を出てすぐにアネットはどうやって死のうかと考えていたのです。
そんなアネットの前に、カトリンがやってきます。
そのままカトリンの暮らす家へ連れて行かれ、部屋に案内されて、そこで生活をすることになったのです。
次第に店で販売する果物の処理や帳簿などの手伝いをするようになり、アネットは落ち着きを取り戻して行きました。
店の準備にも慣れて、カトリンが出産した赤ん坊のオリビアの世話をしたり、穏やかで平和な生活が続きます。
しかし平和な暮らしにも終わりが近づき、パダニアの周辺国では戦争の気配が色濃くなり、ついにはパダニアも参戦表明をするのです。
そんな中で、カトリンのもとで暮らしているのはかつての侯爵の一人娘であり、総司令官の元妻であると街の人が気がつきだすのです。
カトリンへの謝罪とお別れの印にと、離婚の時に放置したままだった慰謝料をようやく受け取り、アネットはカトリンの元をさる決意をするのです。
カトリンは素敵な女性だね!
その後の展開ネタバレ④:アネットは自分の力で生きるようになる?
アネットは従軍看護師となり、前線で献身的に兵士たちの世話にあたるのです。
カトリンの家から出ていくと決めたアネットは、従軍看護師に応募していたのです。
そして自分の生き方を自分で決めて、自分の力で進もうと考えるようになっていました。
この時もアネットは自分のことが嫌いで、生きたくないと思っていながら、少しでもマシな人間になれるように選択しようとしていたのです。
やがてアネットは死と隣り合わせの最前線で兵士たちのために働き、献身的に世話を行います。
人々に許しを乞いたいという思いがあり、最前線にいることで少しでも罪悪感が減るような気がしていたのでした。
最前線なんて、めちゃくちゃ怖いよ。
簡単にできることじゃないし、アネットは本当に立派になったよね。
私の愛する圧制者ネタバレ原作小説の最終回結末は?
『私の愛する圧制者』は原作小説がありますが、その最終回ではどんな結末となっているのかをご紹介したいと思います。
アネットは自分の意思で従軍看護師として働くようになりましたが、ここからどのように結末へと進んでいくのでしょうか。
果たしてアネットは、自分の手で幸せな生き方を手に入れることができるのでしょうか。
最終回結末ネタバレ①:ハイナーとの再会
アネットが従軍看護師として野戦病院の最前線で働いていると知ったハイナーは、打ちのめされます。
ハイナーにとってアネットは権力と富がなければ何もできない弱い女であり、そのような選択をしたことを信じることができませんでした。
それまでカトリンから離婚後のアネットの様子について報告を受けていたので、なぜ止めなかったのかとカトリンに電話をして問いただします。
カトリンからはアネットが生きるために取った選択であり、アネットを人として見ているのなら尊重するようにと言われます。
そしてカトリンは、ハイナーがアネットを愛しているのではないですかと指摘しました。
自分の気持ちは愛などではなく、ハイナーにとって低劣で醜く汚らわしいものなのでした。
やがてアネットは後方部隊への異動を命じられ、全線を退くと、視察にやってきたハイナーと再会するのです。
最終回結末ネタバレ②:アネットの献身的な姿勢が周囲を変える
アネットは前線にいた時も、後方部隊へと移った後も、ただ与えられた仕事に真っ直ぐに向き合って献身的に務めるのです。
周囲の人もアネットが誰であるのかを知っており、気を遣われたり陰口を言われることなどもあります。
アネットを訪ねてやってきた記者が、興味丸出しでなぜここで働いているのかと尋ねることもありました。
しかしアネットは自分ができることをしている、ただそれだけです。
その姿勢は周囲の人々にも伝わり、新聞などで批判的な内容を書かれますが、次第にアネットへの見方が好意的になっていくのです。
最終回結末ネタバレ③:敵軍の奇襲で負傷したハイナーを治療する
ある時、アネットが働く施設が敵軍からの襲撃に遭い、燃え盛る炎の中でアネットは人々を救おうと必死になります。
そこへア襲撃を聞いて駆けつけたハイナーが、危険な場所を顧みないアネットを救い出すのです。
しかしその時、アネットを救出していたハイナーは銃で撃たれてしまうのです。
ハイナーは自分が撃たれてしまったことよりも、アネットが無事であることに安堵するのでした。
命に別状はなかったハイナーは、病院で治療を受けることになり、アネットとようやく向き合って話す機会ができるのです。
そこでハイナーは初めて、それまでアネットに明かしていなかった暗い過去を打ち明け、スパイの養成所での過酷な訓練や、特殊部隊の作戦中に受けた拷問について話しました。
それまで体を重ねた時にも服は決して脱がなかったハイナーでしたが、服を脱いで烙印の跡を見せ、ようやく自分自身についてアネットに曝け出すことができたのです。
初めて見たハイナーの体に残る無惨な烙印の痕を見たアネットは、涙を流しました。
辛い過去を生きてきたハイナーのことを想い、2人はようやく気持ちを共有することができたのです。
最終回結末ネタバレ④:アネットとハイナーの決断は?
アネットとハイナーは、相手への愛を自覚し、それぞれの伝え合って気持ちを確認するのです。
しかし自由政府を率いる総司令官であるハイナーの汚点となるわけにはいかないとアネットは考えるのです。
そして互いに愛し合っていると分かっていながら、2人は別れを選択します。
離婚したときのような投げやりで後ろ向きな別れではなく、しっかりと考えて決めた選択です。
アネットはやがて、以前に2人で行こうと言っていた村で1人で暮らすようになります。
ハイナーは戦争が終結するまで総司令官として指揮をとり続けました。
そして戦争が終わったとき、ハイナーはアネットに会いに行きます。
総司令官を退き、アネットと結婚式を挙げて2人で暮らす結末を迎えるのです。
まとめ
『私の愛する圧制者』をご紹介しましたが、愛と憎しみが複雑に入り組んだ深い恋愛ストーリーでしたね。
さらに時代背景も、王政から自由政府へと変革する激動の社会にあって、壮大な物語です。
アネットが人間的に成長していく姿や、どうあるべきかと悩むハイナーの葛藤など、心理描写も素晴らしい作品なのですね。
ネタバレをご紹介いたしましたが、ぜひ作品を直接読んでみて、大きく感情を揺さぶられてみてほしいです!
それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました!