「しょせん他人事ですから」は、ネットトラブルをリアルに描く作品です。
他人事だと割り切りながら、依頼者の相談に対して正直に飾らず現実的に対応していく保田弁護士の仕事が描かれた作品です。
この作品を読むと、誰しも陥る可能性のあるネットトラブル、SNSという身近なところで簡単に起こってしまう問題にドキッとさせられます。
そしてそこにどう向き合うのか、登場人物の葛藤や保田弁護士が示す法的な考え方が勉強にもなるのですが、とても面白いんです!
また問題が無事に解決した時の安心感など、読み応えがたくさんなのですよ。
2024年7月からドラマされており、原作をチェックしてみたいとお考えの方に、この作品の内容をまとめましたのでご紹介します。
【作品情報】
しょせん他人事ですから〜とある弁護士の本音の仕事〜
雑誌:黒蜜 連載
原作者:佐藤真通
作画:富士屋カツヒト
監修:清水陽平
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ人気ママブロガーの相談
まずは主婦ブロガーのブログ炎上の相談からです。
ブログへのコメント欄に書き込みが殺到してしまいます。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ1話:どうするべき?
桐原こずえのブログに突然誹謗中傷のコメントが殺到するようになりました。
ある朝通知音がどんどん鳴るようになり、何かバズったのか?と思っていると悪質コメントが殺到し出したのです。
何をどう対処すればいいのかわからず、桐原は無料法律相談で保田に相談をしにきました。
保田は書き込みなどを消すための「削除申請」か、書き込んだ相手を特定するための「情報開示請求」のどちらかと説明します。
削除申請であれば自分でもできるものだとも言いました。
一方、情報開示請求は「プライバシー侵害」や「名誉毀損」など事由があれば請求が可能になのだと言います。
しかし、時間も費用もかかる上に精神的な負担が大きく、得るものは大きくないのでおすすめはしないと言いました。
お金の問題などではなく、自分のことを誹謗中傷した人を特定して自分自身の気持ちの整理をつけたいのだと、桐原は言いました。
その場で解決方法は見つけられず、一旦帰ることにしました。
保田は依頼者の相談に入り込みすぎないよう「他人事」というモットーの元、仕事をする弁護士なのです。
突然の悪質コメント、こわーい!
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ2話:判明した相手
桐原は情報開示請求を進めることにしました。
書き込みをした人物のネットプロバイダをIPアドレスから特定し、本人宛に情報開示請求が届いている頃です。
しかし通常はそれでは開示に応じることは、ほぼないのだと言います。
そのためプロバイダと裁判を行なって開示請求に応じてもらうまで3〜4ヶ月かかると、保田が桐原に説明しました。
具体的には、口頭弁論を2度行って判決を待ち、ようやくプロバイダから情報開示が届きます。
しかし届いた情報開示の内容に保田と加賀美は戸惑いました。
桐原にも確認をしてもらうと、保田の思った通り、相手は同じマンションのママ友だったのです。
ここで次の選択肢を提示しました。
- 内容証明郵便で反応を楽しむ
- いきなり民事裁判を起こす
- 刑事告訴をする
保田はどれにするかを桐原に尋ねました。
突如選択を迫られて、戸惑ってしまいます…。
裁判や告訴という言葉に、ちょっとためらってしまいそう…
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ3話:選択肢
3つの選択肢を出してきたものの、③刑事告訴だとまたかなりの時間がかかるので、現実的には①内容証明郵便か②民事裁判でした。
②民事裁判であれば「名誉毀損」や「プライバシー侵害」で提訴となると言います。
しかし日本では名誉は価値が低く、費用や慰謝料として請求した額に対して、判決での金額はかなり低くなるのでした。
そのため民事裁判はおすすめしないと保田は言いました。
そのため①内容証明郵便が進めやすいのだと説明します。
相手が誰なのかを明確にしつつ、裁判のように突然原告・被告という立場になる心理的負担を避け、和解を目指すことの方がハードルが低いのだそう。
そうして内容証明郵便で進めることに決定しました。
開示請求に要した費用や慰謝料、引越し代など和解を求める内容を相談してまとめ、相手へ内容証明で送付しました。
やり方も色々あるのね〜
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ4話:ツケが回る
届いた通知書を見た木下は、突然のことに訝しく思い、また自分が書き込みをした人物だとバレていると驚愕し、350万円という請求額に反発します。
保田へ電話をしてこんなことは困る!法外な金額だ!と主張しました。
しかし保田は淡々と「お電話だと当事者かどうかの確認が取れないので、電話ではなく手紙かFAXで返答ください」と伝えて電話を切ります。
そうして書面で「みんなやっていたので私もやってしまいました」という簡単な経緯と30万円なら払えるという返答が届きました。
しかし謝罪の言葉もなく折り合いつかず裁判へと進めることになりました。
保田は、木下は旦那には黙って進めようとしていることがわかった、と言います。
地方裁判所に双方の当事者とそれぞれの弁護士がやってきました。
和解の方向で進めることになり裁判官が作成した和解条項は、書き込みの削除と同様の書き込み禁止、事件についての口外禁止、解決金100万円の支払いと直接謝罪でした。
謝罪の際は一瞬ため息をついたところを桐原は目にしたのでした。
和解成立後、2ヶ月の間は追払い分割支払いとなっている解決金の振り込みがありましたが、3ヶ月目には振り込みが行われませんでした。
旦那には内緒にして勧めてきていただろうに、甘いな、と保田は思いました。
そして動産執行を進め、ある平日の朝7時30分に、木下家へと執行官が出向きました。
和解できたと思ったら、今度は支払いされないなんて…
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ5話:大詰め
動産執行にきた執行官と保田弁護士の姿に、木下はうろたえました。
旦那も出てきて、家を間違えているのではないかと言うので、保田が説明をすることになりました。
ネット上で誹謗中傷をしたことで提訴され和解に至ったが、解決金の滞納となっているために動産執行を行うことを伝えたのです。
妻から何も聞かされていなかった旦那はパニックになりますが、木下は粛々と動産執行を進めていきます。
マンションの住人が騒ぎに気が付き何が起こっているのかと騒ぎ出しました。
木下は呆然とし、旦那は動揺しながら会社へ休実の連絡をし、ATMへと走り現金を引き出しに行きました。
解決金が支払われ、旦那にも知られてしまった木下は旦那とともに改めて謝罪にやってきました。
ようやく解決し、桐原は旦那からも実家のみんなからもでもよかったねと言われました。
しかし、辛い経験をした記憶は心の中に残っていて釈然としない思いでした。
初めて相談に行った時に安田が「しんどいけれどもあなたの気持ち次第ですよ」と言っていたことを思い返し、相談して良かったのだと最終的に思ったのでした。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ双子アイドル・ヌーヌーの相談
人気アイドルたちの過去について、捏造した作り話が拡散されてしまいます。
有る事無い事、好き勝手にSNSで言われてしまうのです。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ6話:アイドルの悩み
世間で人気の双子アイドル、ヌーヌーのリオが相談に来ました。
内容は、中学時代のいじめ動画がネットに流されてしまい、電話や問い合わせが殺到し
ていることでした。
その件で双子のもう1人、リホが体調を崩してしまい、外出もままならない状態となっていました。
誹謗中傷をした人やリツイートした人も全て断罪するとリオは断言します。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ7話:正面から戦う
リオの考え通りにするなら3万件もの数になります。
それだけでも安田がざっと見積もったところ2,000万円〜3,000万円ほどの費用がかかる見込みでした。
リオはそれでも了承したため、リオが帰っていったあとには保田と加賀美は1件ずつ整理をしていく作業に取り掛かりました。
一方で帰宅したリオは、リホが暗い部屋で1人パズルをしている様子を撮影しました。
リオは費用のためにクラウドファンディングをすることにしたのです。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ8話:情報開示を進める
リホの体調が優れないためリオが心療内科の往診を手配していました。
そしてクラウドファンディングの返礼品としてミニアルバムの制作を進めていました。
保田たちが膨大な量のデータ作業を進めた結果、2ヶ月経ってようやく開示データが届き、SNSでの対象アカウントの確認が取れました。
アカウントの確認が取れたので、保田は次はIPアドレスをもとにプロバイダを特定し、契約者について情報開示を求めるという流れをリオに説明しました。
後日ヌーヌーは記者会見を開き、リホは体調が優れず出席できないためリオが1人で出席します。
心配をかけたことへの謝罪や、様々な支障が生じていることの説明、そして今後情報開示請求を進めることの説明を行いました。
ある日、ある会社の中山という中年男性社員が、PC利用について総務部からの呼び出しを受けていました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ9話:ネット上本人特定
広告代理店のリーガルクラフトで、業務中に中山という男性社員が「七色のおっちゃん」としてSNSをしていたのです。
そんな時に総務部から呼び出しを受け、会社のPCからSNSに権利侵害となる書き込みがされて情報開示を受けていると説明を受けました。
実は中山は、娘がファンだと話していたヌーヌーを調べたところ、いじめ動画が出てきたのです。
そして遊び半分で何度もリツイートを繰り返していたので、会社にバレるわけにはいかないと焦ってしまいました。
ちょうどそんな時ネットを見ている全く別の人物が、動画リツイートした「七色のおっちゃん」のアカウントが、別投稿と照らし合わせてリーガルクラフトの中山だと特定したのです。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ10話:現実世界の本人特定
いじめ動画にリツイートした「七色のおっちゃん」のアカウントに、リーガルクラフトの中山だろうと問い詰めるDMが届きました。
焦っていると続いて部署内で電話がいくつも鳴り出し、「七色のおっちゃん」へのクレームが殺到したのです。
憔悴した中山は会社を早退し、翌日からは出社をせず自宅に籠るようになり、部下たちはそんな中山が実は「七色のおっちゃん」としてSNSをしていたと話題にして笑っていました。
中山だけではなく他にも、誹謗中傷を書き込んだ人たちは意見照会書が突然届き、同じように焦っていました。
リオのレコーディング現場までリホが出て来られるようになり体調が少し落ち着きました。
ふと、それまで進めてきたことを思い返して、リオは自分がかなり疲れていたことに気がつくのです。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ11話:悪循環
嘘のいじめ動画が晒されて開示請求を進めるようになってから、リオは幸せそうじゃないから、とリホは開示請求を止めようと言い出しました。
リオは驚き、ここで止めてしまったらいじめをしていたことを認めてしまうことになる!と言い返しますが、そこでリホが2人で一緒に頑張ろうと言います。
リホは体調不良で活動できていなかったことを謝罪する記者会見を行いました。
そして誹謗中傷していた人が、次はそのことで誹謗中傷を受けるターゲットとなって、悪循環を生み出していることを指摘しました。
さらに、自分たちが受けた誹謗中傷に屈さないために情報開示は止めないこと、ただ今自分たちにできることを頑張ることを宣言しました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ12話:その後への影響
半年が経過し、世間はヌーヌーの炎上事件のことは忘れたかのように見えました。
ですが保田は、情報だけは消えることなくネット上に残っているのだと言います。
「七色のおっちゃん」だった中山は、自宅での夕食時にテレビからネット上で爆破予告をした人物が逮捕されたというニュースが流れ、家族に重い空気が流れるのでした。
外へ散歩に出た中山がスマホを眺めていると、ヌーヌーが武道館で復活ライブを行っていることを知り、驚きます。
その復活ライブ終盤に、リオが今回支えてくれたゲストとして安田と加賀美の名を呼ぶと、スポットライトが当てられました。
保田は人混みが苦手で抜け出しましたが、加賀美はパニックになりながらも舞台に上がりファンである気持ちを語りました。
そしてリオとリホと三人で並んで写真を撮り、リオから頬にキスをされ、感動的な時間を過ごしたのです。
数日経つと、今度は頬にキスをされた加賀美の写真が投稿されて炎上し、保田は他人事のように笑っていたのでした…。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ:ショートストーリー
今回は1話だけのお話です。
保田が法科大学院の特別講義で話す内容となっています。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ13話:特別講義
ある大学の法科大学院に、特別講師として保田が講義をしにやってきました。
講義を聞こうとやってきた学生の中に、弁護士志望の瀬戸雄大と、検察官志望の美里波子がいました。
2人はヌーヌーの事件について、ほとんどが不起訴となったことをスマホニュースを見ながら話していました。
瀬戸は、新しい法律が施行されれば情報開示されやすくなり事件も減るのでは?と話していました。
すると突然横からそんな簡単にバラ色の未来は来ませんよ、と誰かが言います。
驚く瀬戸を置いて、そのまま教室の壇上に立ちました。
特別講義に来た保田だったのですね。
テーマは2022年に施行予定の改正のあるプロバイダ責任制限法についてでした。
そこで瀬戸を指して、現在のプロバイダ責任制限法が成立した年がいつなのかを質問します。
分かりませんと瀬戸が答えると、なんと2001年のものだと保田がいいました。
20年も前であり、SNSなどまだない頃に成立した法律なのでした。
その上で、現在のSNSなどで発生したトラブルを含めて戦っているといいます。
SNSのログイン型通信については、情報開示の対象になっていなかったということも保田は説明していきました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ:ゲーム配信の荒らし行為
中学生がゲーム配信に対して、荒らし行為をしたことに対して配信者から法的な対応を取られたケースです。
ほんのふざけ心で軽い気持ちでやってしまったことが、ここまで大事に…。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ14話:遊びの延長
ふざけ心でゲーム配信を荒らして楽しんでいた中学生の優希が登場します。
優希は、相手方から荒らし行為にはそれなりの対処を考えていると配信者がコメントをしてから怯えていました。
ある日、とうとう発信者情報開示に関わる意見照会という書類が届いてしまい、ひどく動揺します。
叱られるのを恐れて両親には打ち明けられず、弁護士に相談しようと保田を訪ねました。
そんな優希に対し、保田は事実として情報開示請求は避けられないと告げます。
しかし未成年のため弁護士として相談に乗ることはできないと断られてしまい、途方に暮れます。
困ってしまった優希はネットですぐに別の弁護士を調べました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ15話:外面
優希は広告で見つけたドラゴン星川という呼び名をアピールしている星川弁護士にすぐに相談に行きました。
友達とイタズラ心でふざけてからかったことで、相手方から開示請求の書類が届いてしまったのだと、優希は説明しました。
大丈夫です!分かります!と頷いて話を聞くばかりの星川弁護士に、親身になってもらえると優希は安心しました。
そして、まず未成年のため保護者に話して対応してもらうことなど、星川から受けたアドバイスに従って優希は両親に打ち明けました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ16話:聞いていた以上
星川の元に、優希と両親が揃って相談にやってきました。
そこで初めて勇気が行った投稿記事目録を確認した星川は、やばくないか…?と内心焦り出します。
しかし勇気の父親からは情報開示を拒否したいという意向があり、星川はそれではこちらで回答書を作成しましょう、と答えます。
回答書作成費用は7万円かかり、星川はさらっと回答書を作成しました。
それから5ヶ月たった頃、情報開示され結果相手方の弁護士からの通知書が優希の自宅に届いたのです。
勇気の父親は、開示拒否したのではないかと詰め寄るものの、星川は開示されないとは言っていません、と開き直るのです。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ17話:戻ってきた
優希と両親は星川を信用できなくなり、途方に暮れてしまいましたが、勇気の姉が保田弁護士のことを思い出し、もう一度相談に行くように提案をしました。
そこで3人は保田弁護士を訪れ、経緯を話しました。
保田の見解は、星川に事実を正しく述べていなかったことが原因であり、星川の対応は弁護士としては誤っていないというものでした。
そして今後は事実をしっかりと告げるように忠告しました。
その上で、相手方からの通知書の内容を確認し、和解を勧めてきました。
和解の条件は解決金150万円と直接の謝罪であり、相手方は北海道に住んでいるので勇気tax日が北海道へとで向く必要がありました。
勇気の父親は意を決し、大学進学を諦めること、勇気の学資保険を解約することを言ったのでした。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ18話:直接謝罪
被害者あじぇるとの対面の日がきました。
あじぇるは絶対に許さない!と強い怒りをあらわにしていました。
特に人気がある配信というわけでもなく、あじぇるは趣味としてささやかにゲーム配信を楽しんでいたのでした。
ところがある日荒らしコメントが殺到し、どう対処するのか分からずパニックになり配信をストップしました。
すると今度は、DMで卑猥な画像が送られてきたのです。
追い詰められて気持ちが不安定になり、あじぇるの両親が病院へ連れて行き、さらに弁護士への相談をしたのでした。
あじぇるは優希の姿を見て、こんなガキのせいでボロボロにされたの?とさらに怒りを募らせます。
勇気の父親は誠心誠意謝罪をしますが、父の優希は事の重大さが理解しきれないのか、何をどうするべきなのか分からないのか、呆然としています。
父親に促されてようやく謝罪を口にしましたが、謝罪文を読み上げても言葉を口にしているだけの様子でした。
なぜあんなことをしたのかとあじぇるが優希に尋ねますが、面白半分で送っちゃったという軽い回答に話し合いはますます収まる気配が無くなっていくのです。
そんな中、保田が手を挙げました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ19話:誹謗中傷の理由
ただバカなんですと、そして、ネット上で誹謗中傷をする理由はいくつかあるものの、大半は大した理由なんてないんです、と言いました。
被害者はなぜこんな被害になったのか理由が知りたいと思う気持ちはもっともだけれども、納得のできるような理由があるケースは少ないという事実を述べました。
バカでやっちゃいましたごめんなさい、で済んでこちらは心療内科通いなのか…とあじぇるは打ちのめされます。
今でもよく眠ることもできず、配信に対する恐怖は消えず、大好きだったゲームも嫌いになりそうなまで追い詰められているのでした。
ただ謝罪することしかできない優希の父親と、それに倣う優希でした。
謝罪が終了したあと、保田は優希に対し「カッコ悪い姿を見せたお父さん、カッコよかったね」と声をかけました。
その後、優希家族は4人で温泉へ行きました。
父親と温泉に浸かりながら、優希は僕がバカだったと号泣しました。
父親はそんな優希に対し、同じ過ちは繰り返すな!と激励をしました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ:アカウントなりすまし
SNSのアカウントを乗っ取られて、なりすましで投稿されてしまうという相談です。
紐解いていくと、過去の出来事がきっかけだったようです。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ20話:新しい弁護士
安田の事務所に新しい弁護士がやってきました。
泉鈴子弁護士で、安田と同じ思想を持っているからというのが採用理由でした。
安田と泉は2人してお菓子を食ベて机を散らかして汚して、だらしない様子にパラリーガルの加賀美は呆れてしまいます。
しかし依頼の電話が入った途端にキリっと姿勢を正しました。
今回の依頼は稲生という男性からで、アカウントのなりすましについての相談です。
パパ活やママ活、セフレ募集をしていると書かれていたり、写真を勝手に使用されていたりと、全く心当たりがないところで卑猥な投稿がされているということでした。
稲生は泉の綺麗さに見惚れていて、早速泉に依頼をすることに決めました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ21話:泉に見惚れる稲生
稲生は実は、安田と泉に相談に来る前に警察にも相談しに行っていました。
しかし対面で被害を受けたわけではないこと、ネット上での被害は扱うことができないと言われてしまっていたのです。
そんな稲生に対して対応の流れを説明して、何を希望するかを尋ねました。
一方稲生は話を聞きながら泉の顔に見惚れていて、あまり話が頭に入っている様子がみられません…。
しかしどういった対応を希望しますか、と泉にはっきりと尋ねられると、刑事告訴を希望するとはっきりと答えました。
泉はアカウントのなりすましが同姓同名の人物によるものの可能性もあることや、なりすましの人物を特定するために開示請求を進めることなどを説明していきます。
帰り際に、稲生は泉と連絡先交換をしたいと言い、保田の許可をとって泉はライン交換をし、カフェで会う約束もしました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ22話:エスカレートする投稿
パラリーガルの加賀美が保田と今回の事件について話していました。
刑事告訴をして、示談交渉へと進めていく流れについて保田が説明します。
泉の見た目に惹かれて直接メッセージを送った稲生は、カフェで話をすることになりました。
しかし浮かれて他愛無い話をしている稲生に、無用な話なら遠慮しますと泉に言い切られ、恥ずかしそうにします。
そして投稿内容がエスカレートして行っていることを相談しました。
これまではSNS内の写真を使用していたのが、なりすましの人物自身が撮った写真を使用してデタラメな投稿をするようになっていたのです。
泉は情報開示は進めていることを伝え、SNSを見てしまうことで焦ってしまうため見ないようにアドバイスをしました。
しかし泉と別れた後の稲生は、やはり気になってSNSを見てしまうと、なんと先ほどのカフェにいた写真が投稿されているのです。
急いでカフェに戻ってみたものの、犯人をみてわかる訳もなく、またまだ店内に残っているかどうかも不確かでした。
その時再びSNSをみると、今度はカフェへと駆けていく稲生の写真が投稿されているのです。
それから半年後、ようやく届いた開示結果は平田篤と言う男性でした。
稲生は記憶に無い名前で何も心当たりがなかったのですが、数日後に参加した大学時代の友人との飲み会で、平田の名前を知っていると友人が言い出しました。
それは稲生が所属していたサークルにわずかな期間だけ入っていた人物なのでした。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ23話:直接の確認
稲生の友人が平田の知り合いに連絡を取ってみたところ、なんと近くの居酒屋に居ることが判明しました。
そしてさらに平田の連絡先がわかった稲生は、直接その場で電話をかけたのです。
出た相手が平田であることを確認すると、このなりすまし野郎が!と突然怒鳴りました。
平田が電話を切ってしまうと、稲生は腹を立てて平田がいるという居酒屋へタクシーで向かいながら、泉に平田を見つけたので直接会いに行くとメッセージを送りました。
すでに自宅に帰って部屋着でくつろいでいた泉は、稲生のメッセージにやばい!と慌てて
飛び出していきました。
稲生が居酒屋に着くと、すでにそこにはいませんでしたがSNSを使って確認して居場所を突き止めました。
対面した稲生に詰め寄られると、平田はフォロワー数もいないのに自信過剰すぎますよと笑って言い捨てました。
稲生が平田の挑発に苛立ち手を出しそうになった時、泉が現れてなんと稲生を背負い投げしました。
そして手を出していたら終わりでしたよ、と言いながら泉は平田に名刺を渡し、そのままカフェで話し合うことになりました。
僕が悪人であなたが善人なんですか、と開き直った態度で平田は言うのでした。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ24話:過去のトラウマ
稲生と平田は大学サークルの先輩と後輩でしたが、特に接点はなく話したこともありませんでした。
しかし平田は稲生に、一発芸をさせた時のことだと言い出しました。
サークルで夏に海に出かけた時、後輩たちに一発芸をさせることにした稲生だったが、平田が断ると罰として海パンを脱がされて海に投げ入れられたのでした。
屈辱的な罰を受け、笑い物にされたことで平田はトラウマになってしまったのでした。
しかし稲生は覚えておらず、平田はそのことにも衝撃を受けてしまいます。
泉は平田に対し、名誉毀損になる可能性もあることや刑事告訴を検討していることを伝え、さらにこの場での和解をすることもありだとも言いました。
じゃあ謝ればいいんすか?もう辞めますから、と投げやりな口調で平田が言うと、稲生が激怒してお前は悪人なんだよ!と怒鳴りました。
そこで泉が、善悪ではなく平田の行為は違法行為に該当することを客観的に説明すると、平田は自分が行ったことを認め、とりあえず謝りますと言いました。
わかった俺を殴れよ!と稲生が言いますが、そんなやり方はできないし殴れないと平田は涙をこぼし、釈然としない示談となりました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ:ショートストーリー
今回も1話だけのお話で、上司のパワハラに対する悩みをSNSでウェブ漫画にしている社員のお話です。
ネットトラブルは目に見えて起きていませんが、SNSの使い方によってはトラブルにつながる可能性が潜んでいるという内容です。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ25話:SNS告発
WEBデザイン会社で働く徳川由衣は、部長の村正千佳の機嫌1つで変わる職場の雰囲気に悩まされていました。
仕事の不満をウェブ漫画にしてSNSに投稿し、ちょっとしたストレス発散をしていました。
その日も、朝から突然急ぎの仕事を追加され、徳川は必死に業務をこなしていました。
18時までに間に合うかと尋ねられ、ギリギリ出すことができた徳川でしたが、指示した内容と違う!と村正は文句を言い出します。
なぜ同じミスを繰り返すのか、あんたのために言っているなどと追い詰め、他の社員がフォローをすると甘やかすな!と激怒したのです。
徳川はトイレで泣きましたが、しかしあまり時間を取るとまた嫌味を言われてしまうため早めに戻りました。
しかし退社の際に、今日トイレに15分も行っていたのはなぜなのと村正に尋ねられてしまい、とにかく徳川は謝るのでした。
翌日出社すると、昨日は言いすぎたと村正が謝ってきました。
若い男性社員たちがSNSについて話していると、村正はSNSには興味がなく時間の無駄じゃないのと口にしていました。
その様子を見た徳川は村正に対する不満が募り、パワハラ告発漫画を炎上させてやる!と考えました。
帰り際にSNSをチェックすると、コメント欄には否定的なメッセージが多数書かれていて、ショックを受けるのでした。
数日後、保田が開催しているSNS炎上のセミナーで、不用意な発言をしたり罪の無い人を追い詰めないでほしいと話していました。
加害者になって僕と対立しないように気をつけてくださいね、と。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ:10年前の内容
10年前の前科がネット上で記事として残っていることで、今でも苦しむ男性のお話です。
自分の娘には知られたくない事実がネット上に残っているのです。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ26話:過去の事件
ドーナツショップの店長として働く45歳の黒川は、結婚してまだ幼い子供がいます。
しかし過去に大手IT企業社員だった時、居酒屋で店員への暴行によって逮捕された過去がありました。
当時同僚たちと飲んでいた黒川でしたが、その同僚の1人鏑木香織が絡んできました。
鬱陶しい絡みにイラついた黒川は、鏑木を押し倒してしまい、顔を怪我させてしまい出血してしまいます。
取り押さえていた店員を振り払おうとしたことで、店員にも暴力を振るったことになってしまい、現場にやってきた警察官によって連れられて逮捕されたのです。
黒川はその事件をきっかけに、会社を退職し婚約者との結婚は破談になり、ニュース報道によって実家にも帰ることができなくなってしまったのでした。
その後、鏑木は訴えを取り下げたために懲役1年6ヶ月、執行猶予4年の判決となりました。
10年経った今でも、インターネットにはニュースとして残っているのです。
娘が成長してインターネットで見てしまったらどうしよう、と考えると夜も眠れず、そんな夜はジョギングをする黒川でした。
数日後、保田の事務所に黒川がやってきました。
相談内容は、ネット検索で自分の前科が出てこないようにしてほしい、という内容でした。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ27話:ネット検索の不安
黒田は傷害罪で逮捕された過去について、ネット検索で前科がわからないようにしてほしいと相談しに来ました。
パラリーガルの加賀美は、10年も経った今なのかという理由を尋ねました。
すると、今はまだ3歳の娘・雪が、これから小学生になってインターネットを使用するようになり、娘自身や保護者が検索して知られてしまうと不安で仕方がないのだと涙をこぼしました。
しかし経緯を聞いていた保田弁護士が難しいというか無理ですと笑顔で言たいきので、一同唖然とします。
その理由は、検索サイトの結果を消すことは非常に難しく、次の手順となることを説明しました。
- 個人サイトへの削除申請を出す
- 裁判に必要な手続きの対処をする
検索エンジンへの掲載を止める手続きではなく、記事の削除をするための手続きが非常に難しいということでした。
黒川が自宅に帰ると、奥さんが弁護士先生への相談はどうだったのと尋ねます。
難しそうだった雰囲気を察すると、黒川大樹という名前はよくあるし、そこまで気にしなくていいんじゃないのと穏やかに言いました。
黒川は当時のことを思い出し、逮捕されて仕事を失い友人も離れ、婚約者まで去っていった辛い過去です。
数日経ち、黒川が店でドーナツを作っていると、ラジオから気になるニュースが聞こえたのです。
その内容は、鏑木香織容疑者が車で園児たちの列に突っ込んだというものでした。
まさか鏑木という名前が出てくるとはという驚きもあり、また園児の列というのは娘の雪がいたのではないかと不安になります。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ28話:記事の消去
保田はテレビ局の依頼で、インターネットトラブルの法的対応について説明に来ていました。
ネット検索の消去の難しさについて、なぜ難しいのかをわかりやすく説明します。
なぜ難しいのかというと、次の3つの理由でした。
- 検索エンジン側の徹底的な抵抗
- 基準をめぐっての争い
- 表現する自由
カメラを意識していたり、ジュースをいっぱい飲んだりと、保田らしい様子はテレビ局でも同じのようです。
そして番組の最後には、大元である記事を消すことで、検索結果には出てこなくなる、と説明して終了しました。
黒川の自宅では、奥さんがテレビで保田の説明を聞いていました。
そこへ黒川が帰宅し、慌てた様子で鏑木香織が起こしたというニュースについて話しました。
その昔自分が怪我をさせた相手の女性であることを告げると奥さんも驚いていました。
しかし、鏑木香織についてネットで検索している黒川の様子を見て、ネットはほどほどにしなさい!と止めました。
ネットでは鏑木香織について様々な書き込みがされており、見ている黒川も昔のことを思い出してしまいました。
やはりネットの書き込みは言いたい放題であり、加害者側への配慮も何もない非常なものでした。
黒川は決心し、250〜300万円ほどの費用をかけて、削除申請を保田に依頼することにしました。
そして半年経ったころ、黒川は鏑木香織に電話をかけました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ29話:直接のごめんなさい
電話をかけた理由は、ネットで誹謗中傷を受けている鏑木香織のことを心配し、何か力になれないかという内容でした。
しかし鏑木は、差し出がましい真似しないで!と言って電話を切ってしまいます。
一方保田の対応のおかげで、黒川が起こした事件についてネット検索からは消えていました。
お礼を言うために黒川は保田法律事務所を訪ねると、お礼の手土産に保田が大喜びしていました。
無事解決し、ちょうど黒川の誕生日があり、家族でお祝いをしました。
貯金を使ってしまったことを奥さんに謝る黒川でしたが、奥さんはもう解決したからいいじゃない、とにっこりと答えるのでした。
そんな時、鏑木香織から電話がかかってきました。
雪を連れてカフェに会いに行くと、鏑木は事件のことの他にも誹謗中傷をネット上で書き込まれたり、会社に嫌がらせの電話が入ったり、名字が珍しく実家もすぐに特定されたことなどをつらそうに話しました。
突然黒川が立ち上がり、昔に怪我をさせてしまったことを謝罪しました。
鏑木も、先日電話をくれたのに一方的に切ってしまってごめんなさい、と謝罪しました。
面と向かって謝ることの大事さや、謝罪するまでのやりとりの難しさを痛感させられるのでした。
そして後日、今度は黒川と、黒川のお店のドーナツを持った鏑木が、保田の事務所にやってきました。
『しょせん他人事ですから』全話ネタバレ30話:鏑木の気持ちの整理
ドーナツを持って現れた2人に、保田は大喜びでした。
黒川は鏑木の元同僚だと紹介し、事故を起こしてしまってからネット上で流れるデマに悩まされていることを相談しました。
泉弁護士が、選択肢が2つあると説明をし、費用やかかる日数は内容によって異なることなども伝えます。
すぐには決められないと呟き、被害者のことや自分のことで精一杯なのに、なぜ知らない人から散々陰口を叩かれないといけないのかと嘆きました。
すると保田は一言、「人の不幸って楽しいでしょ」と言いました。
すぐに加賀美に怒られて反省していましたが、この言葉は人の心理を言い当てている気がしますね。
すぐには決められないのであれば、まずはSNSから一旦離れるのも保有こうだと保田が言いました。
炎上している最中に迂闊な行動をとると火に油を注ぐことになると説明すると、対処方法が分かっただけでも安心した、と鏑木は言いました。
自宅にいるとついスマホを見てしまうので、黒川のようにジョギングに出ることにした鏑木でした。
しかしすぐに疲れてしまいベンチで休みながら、お金も時間も使うのはもったいないので、もういいかなと考えていました。
気持ちの整理をすることができればそれで良いのだと思いますし、置かれている立場によっても何が困って何が必要なのか、しっかりと見極めることが大事ですね。
まとめ
『しょせん他人事ですから〜とある弁護士の本音の仕事』の全話ネタバレをご紹介しました。
ネットは気軽に利用できて、匿名での書き込みも可能だったりするので、トラブルにつながりやすい社会なのでしょうね。
保田弁護士のところへ来た人たちは、誰でも身近に起こりそうなトラブルで悩んでいて、読んでいる立場としては他人事ではないように感じてしまいました。
弁また、護士さんの仕事は法律知識だけではなく幅広い知恵や対応力など、さまざまな力が必要な重要な職業なのだなと改めて感じます。
他人事と割り切っているようにも見えますが、相談者の気持ちに左右されず事実を見つめてしっかりとコメントをくれる保田弁護士は、頼もしいですね。
作品のストーリーあらすじをお伝えしましたが、マンガではより具体的でリアルな相談者の悩みや、保田弁護士たちが示してくれる法律知識などがあり、とても読み応えがあります!
気になった方はぜひマンガでこの作品を読んでみてくださいね。